遊戯王構築概論その1

 

長くなりそうですが、少しづつ僕の理論を語らせてもらいます。

 

本記事は、序章のような位置付けです。

 

 

 

 

 

はじめに、遊戯王というゲームについて少しだけ掘り下げようと思います。

まず、このゲームが、ゲームというカテゴリーの中でどのような位置付けにあるかどうかです。

ゲームは、何らかの乱数生成機を使用するゲームと使用しないゲームに大きく分類されます。

前者を不確定ゲームといい、例としてトランプ、麻雀等が挙げられます。

後者を確定ゲームといい、例として囲碁、将棋等が挙げられます。

遊戯王というゲームは、言うまでもなく前者の不確定ゲームに分類されます。

よって、乱数、つまり「確率」がひとつのキーワードになってます。

トランプや麻雀とは違い、遊戯王というゲームは、引きあてるものの確率をある程度プレイヤーが操作することができます。

その多くのウエイトを占めるのが、デッキの構築です。

「構築概論」では、その方法論を書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

1章、確率論

 

さて、皆さんは、初手で目的のカードを引き当てる確率を計算したことはあるでしょうか。

これは、数学Aで習う確率分野の余事象の計算方法で簡単に求めることができます。

例を出すと、40枚のデッキに3枚積んでいるカードを先攻時に初手で引き当てる確率は、

 1 - (35/40)^3 ≒ 0.33

つまり、33%という結果です。

どうでしょう。意外と低いですよね。

つまり、3積みだからと言って信用を置くのはかなりリスクのあることなのです。

 

上の例は、あくまで初手5枚の計算で、遊戯王にはドローがあると考える方もいるかもしれません。

しかし、現在の遊戯王というゲームは、進行がかなり早いです。

ドローの機会が1回、2回でゲームが終わるのもザラです。

ゲームが上手く進行して5回ドローする機会を得たとしましょう。

この場合、3積みのカードをドローで引き当てる確率は、

 1 - (30/35)^3 ≒ 0.37

ここでも、やはり微妙な結果となりました。

 

ここまで計算の例をいくつか出しましたが、計算の方法なんてどうでもよくて、言いたいのは以下のことです。

高々3枚程度のカードを戦術の基礎に置くことには無理がある。

つまり、4枚目以降のカードが必要になってきます。

そうは言っても、このゲームは同名カードは3積みまでというルールがあります。

そこで、もうひとつ重要になってくるのが、「役割によるカテゴライズ」です。

これは、4枚目のカードを作り出す考え方で、実は皆さんが自然に行っていることです。

例を出すと、ヒーローというデッキには多くの場合、エマコとシャドーミストがそれぞれ3枚づつ積まれています。

見方を変えてエマコをシャドーミストという役割に投影した場合、6枚のシャドーミストが投入されているということになります。

更にカテゴリーを広げて、先攻ダークロウという目標にむけてカードをカテゴライズしてみましょう。

このカテゴリーに属するカード群は、

ヒーローアライブ3枚

A(ブリキンギョ3枚、ゴブリンドバーグ、増援、マスクチェンジ3枚)+B(シャドーミスト3枚、エマコ3枚、増援)

()のカード群は、AB組み合わされることによって初めて役割が遂行されます。

ここで、これらを何枚分のヒーローアライブに換算できるかの、経験式を書いておきます。

 7 + 3(n-1) ≒ A+B (AとBの枚数差は離れすぎていない)

この式のnが換算後の枚数となります。

つまり、例の場合はA+B=8+7なので、おおよそヒーローアライブ3.5枚分に相当します。

つまり、ヒーローというデッキは先攻ダークロウにアクセスするカードを6.5枚分積んでいることになります。

 

このように、カードを役割毎にカテゴライズすることで、確率を可視化することができ、確率と上手く付き合えるようになります。

 

上の例は、ほんの簡単な例に過ぎませんが、この考え方を使うことで、ある目標に絞ったカード選択を徹底することにより確率的に相当有利な戦いを仕掛けられるようになります。

後の項で述べますが、それがサイドデッキ構築のポイントです。

 

まとめ

・カードの2枚や3枚で戦術を立てることは困難

・4枚目以降のカードを生み出すカテゴライズという方法を用いて戦術を立てる

 

 

確率論はここまでです。

 

 

 

その2へ続く